俺の本棚

Last updated 2001.3.25
本に対して全力集中態勢で読みます。特に登場人物に感化されます。
読みきったときは登場人物と同人格となり、しばらく夢心地です。
だから書評というよりは登場人物に着眼点を置いています。

 上のように書いた2年前と違って、今ではいささかシニカルな視点で
読んでいたり、作品の本質とはほとんど関係ないと思われる、くだらない
ところがやたら気になったりします。ま、私がえらそーな事を書く資格は ないのですが。

 今までえらそーに書いていたのですが、なんと著者からメールをいただく事態と
なりました。怒られるかわりに、喜んでくださったので、これからも調子のって書くことに
します。作家名だけでサーチエンジンが、この「俺の本棚」をヒットすることを
思い知った次第です。サーチエンジンってえらいなあ…。
 最近はサーチエンジンや雑誌でもここの紹介が増えつつあります。大変嬉しいです。
これで儲け話にならないかな…と自惚れだすのは、傲慢かなぁ・・・。

題名 著者・出版元 ジャンル

 寸評とはいえない長文の評価

ファウンデーションシリーズ
(銀河帝国興亡史)
アイザック・アシモフ著 
全7冊
早川文庫・創元推理文庫
SF
 人類が宇宙の星々へ移住した1万2千年後の未来社会を迫力のスケールで書ききった名作シリーズ。叙事詩的な香りがします。英語版までアメリカで買った。このシリーズの核となる人物、心理歴史学者ハリ・セルダンよりも、宇宙商人時代のホバー・マロウの方が好きです。一番誰が好きかと言えば、トレヴァイズ議員ですな。未来の宇宙航法・生活・ロボット・コンピューター、そしてテレパスをはじめとした精神科学とあらゆる分野でウンチクが言える筆者の博識ぶりが読んでいて心地いい。  
アシモフの死後、Bの文字がつく3人の作家(ベンフォード・ブリン・ベア)がこのシリーズの続きを書いています。買おうと思っているのですが、なぜか買わない。なぜだろう。まわりの評判がよくないからか。
火星人ゴーホーム フレドリック・ブラウン著
早川文庫
SF
 作家の星新一と清水義範が絶賛しているアメリカSF小説。地球人を完璧に小馬鹿にした火星人が世界中で暴れまくる。彼らがキュートだと思うのは私だけか。この本が1950年代に書かれたと思うと未だに感動する。中学生でこの本を読んでいたのは、なんともシニカルだ。仮に生まれ変われるなら、この小説の火星人かミドリムシだと今でも思っている。  
アルジャーノンに花束を ダニエル・キイス著
早川書房
SF
 花束の絵が奇麗な装丁で数年前にリバイバルヒットしたSF界不朽の名作。精薄者センターで暮す主人公のチャーリィ・ゴードンが、脳外科手術で超知能を持つようになった白ネズミのアルジャーノンと検査の競争を始める。やがてチャーリィも脳外科手術で天才の道を歩むが・・・。彼にたちはだかる問題をとおして、悲しいまでも人生の悲哀・愛情を書ききっている。最初のひらがなだらけの文章の理由も読んで行くうちにホロリとわからされる。よく出来ている。翻訳もうまい。SFがとっつきにくいと思っている人は、この本から入って下さい。めったに本や映画で泣かない私が泣けた。最近また映像化されたらしい。  
幼年期の終り アーサー・C・クラーク著
早川文庫
SF
 最初はSFおなじみの異星人襲来ものかと勘違いしかねない本。ちゃんと最後まで読んで欲しい本である。「オーバーロード」と呼ばれたその異星人に地球人は完全に臣従せざるをえなくなったが・・・。人類の進化の一方向をダイナミックに提示している傑作である。最近は表紙が変わったのか、少しは買いやすくなったかも。
「バスジャック事件」で有名になった掲示板サイト「2ちゃんねる」の「SF」コーナーで、「オーバーロード」のネタがあるのに笑った。みんなクラークが好きなんだなあと。いや単にパロディ化している 可能性が高いか。
夏への扉 ロバート・A・ハインライン著
早川書房
SF
 SF作家の多くは犬より猫の方が好きである。私も実家には「あさり」ちゃんがいるが、猫の方が好きだ。猫好きでSFを読みたいと思う人は買って損しない。この本は1957年書かれたせいか、21世紀の描写に少し違和感を感じるが、現在読んでも人工冬眠と猫と人生について考えさせられる。もし現在の科学技術で人工冬眠が可能だったら、あなたは冬眠して未来を見たいと思わないだろうか? 俺なら22世紀ぐらいに目覚めたい。そんな事に興味を抱く人にお勧めします。結局アシモフ・クラーク・ハインラインと大御所のSF作家ばかり並べてしまった。本当のSFマニアではないなぁ。入門書ばっかりになってしまった。以下は少しひねります。  
ドグラ・マグラ 夢野久作著
角川文庫
あえてSFに入れる
 戦前の日本人でこんなセンスの持ち主がいたことに誇りを持ちたい。SFの世界に詳しい人なら誰でもこう思うだろう。何回読んでも頭が混乱してしまうので、読み飽きない本である。内在する精神的無意識の世界と実在する事実とのメランコリー、想像と幻覚と実世界の間を強烈に揺すられる思いをする。この作品を完全に理解つくした人は、果たして世界で何人いるのだろうか。
 彼のいくつかの短編は「青空文庫」(Favorite Sites参照)でもダウンロード可能。  
ハイペリオン(シリーズ) ダン・シモンズ著
早川書房
SF
 20世紀SFの集大成として最近文庫版がでた。文庫版の帯の宣伝は椎名誠。これに思わず旅行ものと思って、 購入する読者なんていないと思うが、買って損はしない。神父・軍人・詩人・学者・探偵・領事という各職業の人達の告白という形で ストーリーが進む。その一つ一つがSFと叙情がバランスよく混ざっている。これでどの物語が好きかで心理テストまで したくなるような、バリエーションである。私は気に入った順に、探偵、学者、軍人、神父、領事、詩人である。 絶対続きを買いたくなるが、この後のシリーズはまだ文庫版はなく、ハードカバーを買わざるをえないので、 金銭的には大損してしまいます。
しかしこれを読んだら、もうSFに関しては一流の薀蓄(うんちく)を弁ずることができます。すべてを把握したら、もう あなたもSF評論家として飯を食って行くことが可能です。この本はぜひSFの知識が全く入ってない10代に読んで欲しい。けど読書感想文とかで、これを 選んだら、今でも先生から怒られるのだろうか。
司政官(シリーズ) 眉村 卓著
JDC
SF
 1974年に早川書房から出版されたが、絶版。それを大阪の会社が1992年に復刻した。 小学生の頃、むしょうにこの本を買おうと思いつづけたが、なぜか買わなかった。この小説をモチーフにしたボードゲームも めちゃくちゃ欲しかったが、買わなかった。そのことを心の隅でとても後悔していて、本の通販でやっと購入した。早川の文庫本は もう古本屋にしかないのだろう。しかしハードカバーで2500円もしたけど、手に入れた喜びにひたっているところである。
 ようやく日本では、「Aibo」や「ASIMO」が歩き出したところだが、この小説では既にロボットが官僚や護衛任務についている。 アシモフのロボットものと違って、フランケンシュタイン症候群(ロボットが制御不可能となり、人間を排除する行動 を常に想定する考え。またはこの考えに縛られること)の思考を超えたところで、ロボットをとらえている ところが、自然に感じられる。たぶんこれは手塚治虫の「鉄腕アトム」の影響が日本人全体に浸透しているからだと思う。これはいいことだと 思う。この意見は手塚真がテレビで言っていたかな。同感である。
 テレビゲーム化しないのか。最近のゲーム「シド・マイヤーズ アルファ・ケンタウリ」なみに素晴らしいゲームになると思う。この年齢になってこのシリーズの偉大さに気づいたところである。
愛と幻想のファシズム 村上龍 著
全2冊
講談社文庫
小説・ミステリー
 村上龍の小説は意味のある暴力シーンと全く不快にさせる暴力シーンの2種類が極端だと思うが、この本はうまくいった例だろう。ハンターでかつ独裁者をめざす鈴原冬二は確かにかっこいい。しかし私は、躁鬱の激しい彼のサポート役「ゼロ」に感情移入する。だからといって、私はSMには興味はない。
 最近読みなおした。あとがきで「システムへの憎悪」に抗する為に、この小説を書いたと筆者は述べている。これだけのコンセプトで10年以上も似たようなテーマを源流に持ち続けている小説家も珍しい。最近出版された小説もそうだもんな。この小説でもいささかご都合主義的なところもある。それよりも彼のサッカー評論が胡散臭く感じるのは私だけか?? 
 新年の「Ryu's bar」を不覚にも見てしまった。あれだけ中田英寿と仲がよくて、彼からあれだけの 言葉を引き出せるインタビューができたとは感心しました。これからもサッカー評論してください。以前は「小説に限ってくれ」と否定的でしたが。 けど相変わらず進行役下手だったなあ…。ま、久しぶりにやっていたので、嬉しかったけど。 高校の時、私は彼と外見が似ていると言われ、悲しい思いをしたことがある。
Cの福音・猛禽の宴・ターゲット
クーデター・クラッシュ・朝倉恭介
楡周平 著
宝島社
小説・ミステリー
 実は全部持っている。 どの小説にしても構想とディテールに圧倒される。登場人物みんなしぶいうえに、実際にいそうなリアリティが嬉しい。 上のタイトルは「悪」の主役、朝倉恭介が、下のタイトルは「善」の主役、川瀬雅彦が活躍する。両方ともかっこいい。 俺もこうなりたい。冷静にならなくても、なれるわけがないことぐらいは自覚しているが、たぶん小説で一番感情移入 しているとしたら、この一連のシリーズである。男なら、このどちらにもあこがれるだろう。女なら、どちらかに 惚れるかもしれない。朝倉と川瀬が対決するのが、このシリーズ最後の「朝倉恭介」だ。 作者のサイン会にも行った。サングラスをかけたハードボイルドな写真と違って、 素の本人はていねいな字を書かれる腰の低い方でした。
最後はどうなるかは、みなさんも読んでみて下さい。個人的には少し寂しい終わり方かな。
黄金を抱いて翔べ 高村薫 著
新潮文庫
小説・ミステリー
 硬質な文体は男性作家を思わせるが、ハードボイルドの典型的なスタイルにピタッとはまっている。舞台は大阪の各地で、その描写はビデオカメラをまわしながら話しているくらいの臨場感がある。住友銀行本店と想定される銀行の地下金庫に保管されている金塊をがっさり強奪する過激な内容だ。犯行メンバーの関西人気質もうまく描写されている。筆者が関西人のせいだろう。個人的には強奪メンバーの一人で韓国人の「モモ」の設定に思わずうなった。「レディ・ジョーカー」も買わないとな。
世界の終りとハードボイルドワンダーランド 村上春樹著
新潮文庫
小説・ミステリー
 「ノルウェイの森」に対して興味を抱かなかったように、これにも興味がなかった。「世界の終わり」と「ハードボイルドワンダーランド」の二つの物語世界から構成されていて、最初混乱する。互いの物語が結びつけられ読み進められた時からは、それなりに楽しい。個人的には「世界の終り」の「僕」のパーソナリティーが好きである。けどこの人の小説って、いつも2つ以上のパラレルワールドで展開されていないかと疑っていたりもする。ノモンハンからメキシコ、果ては香川県のうどんツアーまでの旅行記を綴った「近境辺境」は単純におもしろい。けど音楽や本の好みをずらずら書いて金にできるのなら、俺でもやりたい。
陰陽師(シリーズ) 夢枕 獏著
文藝春秋
小説・ミステリー
 私の友人の何人は彼の作品が好きだ。実はそんなに興味がなかったのだが、最近陰陽師ブームらしいので、とっつきで読んでみた。なかなか不思議な世界で、ハマッているところである。改行が多すぎるような気がするが、それが平安京の風情にあっているのかもしれない。軽快な文体とおどろおどろしいところのギャップがなかなか楽しい。酒と共に出てくる肴の描写が妙にうまそうに感じるのは俺だけか。個人的には「鬼小町」が一番いいと思っている。万能と思える安倍晴明が術や呪がかけられない数少ない短編である。
 楽器の名手で実直な性格の源博雅のキャラクターはおそらく読者の目として必要なキャラクターなのだろう。この作品は映画化されてもいいような気がする。
と、書いていたら、本当に 映画化やらテレビドラマ化するらしい。晴明役に稲垣吾郎がテレビの方、映画は野村萬斎か。 個人的には枚方出身の豊川悦司にしてほしかったな。
世界の名探偵コレクション(シリーズ) 全10冊
集英社文庫
小説・ミステリー
 推理小説は、みなさん好きだろうか?? 好きなのだけど、長編は実は苦手です。途中でストーリーを追っかけるのが億劫になる。よって短編好きだけど、どれを買ったらいいものかで、少し悩む。
 幼い頃、少年用に編集した推理クイズ・トリック本が大好きだった。内容は有名な推理トリックをヒントにしたり、アイデアとして応用させたものを使っていたから、そのうち原本が読みたくなる。しかし長編は億劫だということで、SFに興味がうつった。けどSFの長編は読めた。なぜだろう。
 ともあれ大人になってから、このシリーズが出たおかげで、楽に短編のおいしいところが読めるようになった。ホームズ・ルパン・ポアロ・クィーン・マーロウなどなど人気どころは一通りあるので、買ったら得したような気がする。翻訳も最近の文体に改訂されているところもまたよし。本当にハマれば、長編をあらためて買うもよしです。
チベット旅行記 川口慧海 著
白水社
ノンフィクション・旅行
 明治時代の高僧にして、大冒険家。厳寒・鎖国状態のチベットでサバイバル生活をこなした先人はもっと評価されるべきだ。読み物としてもおもろい。馬鹿几帳面ともいえる綿密な文体にだるさを感じる人もいるかもしれないが、チベット旅行を考えている人はぜひ一読を。映画「セブンイヤーズ・イン・チベット」の主役ハインリッヒ・ハラー(役を演じていたのはブラッド・ピット)よりも早くに未知の世界にもぐりこんだ日本人に敬意を表したい。
自転車地球放浪塾 のぐちやすお 著
山海堂
ノンフィクション・旅行
 海外をめざす自転車野郎には必携の書。特に0章「やる気のあるヤツだけいってこい!」だけでも、自転車をやめてしまった奴等には読んでもらいたい。マニュアル世代の為にコンパクトでかつおもしろおかしく、それでいて実践的海外自転車ツーリングの方法を教えてくれる貴重な1冊。最近新版が出ています。ますますわかりやすくなってます。
人力地球縦断 九里徳泰 著
山と渓谷社
ノンフィクション・旅行
 アメリカ大陸縦断をなしとげた筆者のこの本は前編である。元々自転車野郎だった彼が、カヤック・登山、そして本職?の自転車と人力に頼る手段を駆使しながら、この偉大な冒険を行っている。あっさりマッキンリー山に登頂してしまうところや、その時の気分で寄り道をしているところなどをみる限りで言えば、「冒険家」という気負いがない。途中のカヤックツアーには彼の嫁さんも同行している。「この程度の冒険なんて、誰でもやれるよ」と思わせる文体と説得力には尊敬している。年齢が5つしか違わないせいだろうか、親近感さえ感じる。「チベット自転車旅行記」をはじめとした自転車ツーリング系の本も非常にわかりやすい。 以前「ニュースステーション」に出演してましたね。
がむしゃら1500キロ 浮谷東次郎 著
ちくま文庫
ノンフィクション・旅行
 日本レース史上の伝説、鈴鹿サーキットに疾走した「カラス」の天才ドライバー、23歳の若さで鈴鹿に消えた悲劇のドライバー、浮谷東次郎。アメリカ留学を経て、英語もペラペラだった彼が今生きていれは、バーニー君のようにF1界を牛耳っていたに違いない。この本は1957年、彼が15歳の時にバイクで千葉県市川から大阪までのツーリングに出た時の旅行記だ。とても中学生の文章と思えない才能の輝きがまぶしい。そして彼の繊細な精神には思わず感涙する。今生きていれば59歳。本当に日本は偉大な人を失っていると思う。
オーパ! 開高健 著
集英社文庫
ノンフィクション・旅行
 今では猫も杓子もルアーフィシングをするようになったが、その最先端を走っていた、開高さんがブラジルで竿を握る。伝説の魚ドラドにアタックする。ブラジルの野生味と高橋舜のシャープなキレを感じる写真が素晴らしい。自称釣り師はこの本をベストのポケットに入れておくべし。
天国と地獄
地球8万キロ自転車の旅
森逸広 著
晩聲社
ノンフィクション・旅行
 噂ではよくよく世界をまたに走り続けるチャリダーの話を聞くのだが、実際に一回の旅行でそれを成遂げようとする人間が本を書くことは少ない。だいたい一旦日本に帰ってくる。残念ながら作者は中央アフリカで病気となり、帰国するのだが、ひたすら走るその根性に感服した。現在は作者は熊本の阿蘇の麓で農業を営んでいる。宇宙に行ったTBSの秋山豊寛さんも今は農業をしている。自転車ツーリングと宇宙空間は人を悟らせるのだろうか。
モーターサイクル南米旅行日記 エルネスト・チェ・ゲバラ 著
現代企画室
ノンフィクション・旅行
 キューバ革命の立役者、チェ・ゲバラの本である。しかしこの日記は社会主義思想の観点から書かれたものでは全くない。壮大なバイクツーリング(途中からヒッチハイク)記録である。20代の彼の写真もあるのだが、単純に男前といえる。歴史上の偉人は昔からフラフラしている。スペイン語が話せるのと医者の資格があると食事1つにしても相当融通が聞くなあと感心して読んでしまった。もし彼がカストロと出会ってなかったら、「グレート・ジャーニー」の関野さんのようになっていただろうと思うと、歴史の「あや」に悲しくなってきた。私の自作パソコンのエンブレムは彼の肖像です。共産主義者としての彼より、この本で描かれている若かった頃の彼の生き方がうらやましい。
荒野の風に吹かれて 紀元一人 著
新風舎
ノンフィクション・旅行
 アメリカ合衆国をくまなくバイクで駆け抜けた男のツーリング記録である。バイク乗りなら一度は夢見ることを実際にやってのけた男の感受性を受け入れるか、入れないかは、読んでみないとわからない。おそらく私より年上だろうけど、無邪気な考え方をしているのが、なんともかわいらしい。前半はアメリカ賛歌、後半はアメリカの暗部に気づき始め、轟々と指摘し、批判している。その姿が素直でもあり健気でもある。10代のバイク乗りか、青春をただ懐かしむ中年にオススメします。
自転車不倫野宿ツアー
 「由美香」撮影日記
平野勝之・林由美香 著
太田出版
ノンフィクション・旅行
 これはたまげた。もう驚くしかない。アダルトビデオの監督とアダルトビデオ女優が不倫中で、東京から北海道の最北端まで、自転車で走るというとんでもない記録である。写真(当然胸はモロ見えです)をふんだんに使われているので、十分臨場感が味わえる。私も含めてだいたい自転車で旅行する人間って、ストイックな態度をもって旅に臨む姿がカッコいいと思い込んでいるのだが、それを見事にぶちのめす本。テントの中で、何回こいつらセックスしているのかわからないが、そのタフさと男女間の自転車旅行について考えさせられる名書。堅物の自転車部部員か、もしくはカップルで自転車ツーリングをしたいと思っている人、特に推薦します。男と女についても考えさせられます。
大陸横断バス 白川由紀著
KDDクリエイティブ
ノンフィクション・旅行
 買った動機は不純だ。筆者のルックスだ。俺はショートカットの女性に弱い。ウィーンからカトマンズまでのバスの移動顛末記録だけにとどまっていないところが楽しい。 経営者としても、旅行コーディネイターとしても優秀なのでしょう。現在何をしているか、すごく気になる人だ。インターネットで情報を公開してそうだと調べてみたが、 ある小学校での講師活動報告以外、何もヒットしてこない。彼女のその後がすごく気になる。俺より1つ年上というのも、魅力的…。
 以前上記のように書いていたら、なんと本人からメールが来ました。驚きとともにこんな世の中になったことを感謝します。 現在でも元気に旅行に行かれてます。新刊「世界ノホホン珍商売」も買いました。彼女のサイトもあるので、ルックスが気になる人は「Favorite Sites」からジャンプしてみよう。
宙の名前 林 完次 写真・文
光琳社出版
写真集・雑誌
 夜空の写真と星座や星の名前の由来などが、丁寧に編集された写真集。西洋の星座に限らず、日本や中国など、東洋古来の呼び名や伝説も取り上げられている点が秀逸である。眺めながら、神聖な気持ちに浸れます。
Number
文芸春秋
写真集・雑誌
 グラフィックスポーツ雑誌である。「文春、唯一の良心」と渾名されるこの雑誌は昔から読んでいる。特にサッカーとF1の時は必ず立ち読みもしくは購入している。写真と原稿の質の充実さとそのバランスのよさは専門誌以上だ。編集している人たちが本当にスポーツを愛しているのだなあとシミジミと感じる。スポーツ選手もこの雑誌には一目おいていると思われる。読者としては発言やインタビューの内容に感動できる。一番好きな雑誌である。
OutRider
ミリオン出版
写真集・雑誌
 質の高い写真が中心のバイクツーリング雑誌。バイクツーリングの報告だけでなく、日本の風景写真集として眺めていても満足できる。もっとバイク自身の情報があればいいなあと思うのだが、ツーリング情報が盛りだくさんなので、ついつい買ってしまう。バイクを買ったばかりの人にお薦めです。
フィールドバイカーズ
フィールドライフ
写真集・雑誌
 10代の頃「サイクルスポーツ」の比較的熱心な読者だったが、20代になって疎遠になっていた。たぶんレースやトライアスロン中心の記事になったからだと思う。しかしこの雑誌はツーリング重視編集の構成で、たぶん20代に手にしていたら、毎回購入していたと思う。その雑誌がなんと私のこのサイトを紹介してくださった。参照
SFマガジン
早川書房
写真集・雑誌
 創刊500号越えました。おめでとう。「生命進化」「知性体」特集関係は必ず購入している。海外からの最新情報やマイナーな短編も読めるので、単純に嬉しい。結構マニアしか買わないだろうなあと思うが、素人さんでも読める編集なので、安心を。訳の分からないところは飛ばせばいいのだし。これを読んでいると、日本のSF市場って、世界のトップレベルだと思うのは私だけか。問題は読者数だが、いい線いっていると思う。
 復刻版の創刊・2号・3号セットのを買いたいが、値段を見てびっくりした。
旅行人
旅行人
写真集・雑誌
  パックツアーと縁のない人達が編集している雑誌。かなりマイナーな都市の詳細なイラスト地図や 濃厚な海外体験レポートが記録されている。薄い冊子も旅行ついでに持っていくにはよい。これを 読んで海外旅行の気分に浸れる。
ぼのぼの
竹書房
まんが・絵本
 私の家にもぬいぐるみがある。ラッコの「ぼのぼの」とシマリス君、いじめっ子のアライグマ君などなど、かわいらしいキャラクターがおりなす、のんびりとした漫画。映画にもなりました。映画も見に行った。ビデオも買った。バスタオルも「ぼのぼの」製だ。実は相当のぬいぐるみが家にあります。
 妹にシマリスを取られた。嫁に行ってしまったことだし、仕方がないか。
わるい本
ベネッセ
まんが・絵本
 誕生日のプレゼントにもらった。元々悪役願望のある俺を満足させる本だ。小心者だが、目つきがいかにも悪そうな「わるもの」と同じく小心者の「うそつき」が、悪さやたわいもない会話をしてます。「わるもの」は、若い女性の人気となりつつあるアランジ・アロンゾの仲間です。意地の悪そうな目つきをしたパンダが結構有名です。「わるもの」もメジャーになって欲しい。
今日の芸術 岡本太郎 著
光文社
評論
 「太陽の塔」は30年経た大阪の万博公園につったっている。この年に生まれた私はこの作品がなぜか小さいころから好きだった。表現の仕様がなく、ただすごいなあと感動していた。大人になって、この作者について知りたいと思うようになった。テレビでは「バクハツ」しているおじさんのイメージしかないが、彼の文章は明晰で、知識の深さにおそれいる。「芸術」と「芸道」・「技術」と「技能」の違いや「前衛芸術」と「モダンアート」あの違いをわかりやすく説明している。その説明は冷静だ。日本における正真正銘の芸術家であり、表現者であった。同時代に生きていたのにもかかわらず、もっとリアルタイムで注目しておきたかったと後悔している。この本は芸術と関係ない人を対象に書いている本である。絵心がない人が読んでも楽しい。芸術論だけでなく、日本と海外との関係も示唆に満ちている。約50年前に書かれた本だが、今でもその思想は古臭くなく、逆に新鮮である。
(C)HATONO,Kotaro

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