Patio103-120 POPPO海外を走るチャリダーと走り屋の為に
(フランス・スイス情報)

 −関空特急「はるか」−

 荷物置場が大きいので使える。この列車は全席指定の特急だが、いきなり飛び乗っても、後で車掌から特急券を買わされるので、問題ない。新大阪駅で自転車の組立・分解できるスペースは3階コンコースがおススメ。階段の登りがない。ただしここに入るには、タクシー乗場の一方通行を南側から逆走するしかないので注意。西側に交番がある。東側が静か。時々暇そうなタクシー運転手に観察される。

 −飛行機に自転車を積む−

 国によってはそのまま持ち込めるらしい。(カナダ・ニュージーランドなど。)しかし長距離便の場合、自転車をそのまま持ち込むことはあまり歓迎されない。
 全荷物積載の制限は30キロだが、ごまかすために持込荷物を多く持とう。制限を越えていてもオマケしてくれることがほとんどだ。「渡航できません」と言われた人はいないと思う。
 高価な自転車を持つ人は輪行をできるだけ避けたいだろう。フレームの傷、タイヤのぶれ等を全くないまま、運ばれることはまずない。ただフレームカバーやエンドのぶれを防ぐアイテムを使って、最小限に損傷を防ぐこと。いかに上手にパッキングできるかが、その後のツーリングの運命を握っていると言っても過言ではない。輪行で手抜きしてはならない。また第三者は自転車という荷物に不慣れだが、できるだけ「自転車」であることをアピールする努力をする。目的地の言葉で「割物注意(Fragile )」や「自転車」と書いているだけで、話のネタになるし、大事なものなのだと相手に分からせることができる。しかし航空会社は「自転車が損傷を受けても、弊社は責任を持てません」といった念書にサインを要求する。仕方なく署名するが、なくなったら、ちゃんとクレームタッグ(荷物預証)をつきつけて、荷物の在処を調査してもらうこと。
 また工具関係は輪行自転車の中に入れる。持込だと金属探知器にひっかかる。国や空港によって、直接係官から引き渡される可能性がある。

 −乗換えがある場合、預けた荷物の話し方−

 預ける最初の段階で、「○○空港経由で**空港に行きます」と係官に告げること。最終目的地をきちんと言えばたどりつくはず。

 −フランスにおける自転車の立場−

 自転車の発明国?!(確かそうだったよな)であるだけに、「車両」としての誇りを与えられている。堂々と車のレーンを走っていても車はクラクション1つ鳴らさない。幹線道路では、おおむね日本の高速道路のインターチェンジと同じように出入口が整備されている。自転車でも車同様の出入の方法をとらないと、逆にドライバーがじれったがる。ロードレーサーが大変多く、スピードも最低30kmで走っているから車と同じように扱いをしてくれる。逆に言うとそのくらいのスピードで走ることも要求されるし、交通法規の遵守も要求される。一方通行の逆行はもちろん、左側通行でも警察から注意される。(私は注意された)
 また車道と歩道の境界の段差は日本以上に高い。MTBでフロントサスペンションがついていたら、問題ないのだが、ランドナーやロードレーサーのタイヤで段差を横切ることは自転車や身体疲労の原因となるだけ。しかしMTBの太いタイヤだからと調子に乗って歩道を走ると、人々からヒンシュクをかう。歩道にはカフェのテーブルと椅子がたくさん並んでいるし、みんなそこでくつろいでいることが多いからだ。日本みたいに車道と歩道をジグザク走行することは困難である。けじめをつけてマナーよく走ろう。 またロータリーが大変多い。信号の少なさと対照的でさえある。このロータリーの仕組みは簡素ながら素晴らしい。半時計周りにクルクルまわり、行きたい所でロータリーから抜ける。当然自転車も車同様、それに従う。ロータリー内は停車禁止である。最初はあせる。抜ける道に迷った時は、焦らずまわり続ける。ロータリー内の車両が通行の優先権を与えられている。

 −ニース〜モナコ−

 海岸特有のアップ・ダウンが続く。距離は15キロほどだが、思ったよりも疲れた。道の状況は伊豆半島東側、または紀伊半島西海岸に似ている。道路はすべて舗装されている。マンホールや工事後にできる凹凸の状況は日本と全く同じ。自転車王国といっても、舗装技術は日本と同じぐらいだ。

 −水と食料−

 日本みたいに自動販売機が氾濫している国はない。ちゃんとボトルを確保しておこう。コンビニとなる建物はヨーロッパの美意識が許さないらしく、画一的な建物はない。現在の日本では残り少なくなった「駄菓子屋」風のキヨスクが街中に点在している。いずれも石造りの堅牢なものだ。日本同様のスーパーマーケットは大都市・中都市の郊外に1件は最低ある。見つけたら、即入場して、ありったけの必需品を吟味して買い込むこと。現地の人間も多く利用しているので、よく混んでいる。
 日本でいうところの「サティ」や「ジャスコ」「ダイエー」など、3階以上の大型スーパーは残念ながらない。こういう建築物は私の走った田舎の地域では見当たらなかった。たぶん他のヨーロッパ諸国でもそうだろう。
 水は日本でもメジャーな"Evian" をはじめ、"Vittel"、"Mounbeau" など1.5Lサイズが、7FF未満(日本円で150円以下)で簡単に手に入る。ニース・シャモニー・ジュネーブ、いずれでも生水を少し飲んでみたが、異常なし。ただ普通の日本人の感性からすれば、あまりうまくないが、大阪よりマシ。私なんかは生水をそのままボトルに入れて走ろうと思ったが、慎重に対応し買いこんだ。おなかに自信のある人、好奇心のある人、ただ貧乏な人はお試しを。
 食料はフランスではパンに限る。安い。味は日本のパン屋なんて目じゃない。間違っても日本食なんか持っていってはならない。ただ現地のパンは硬めで、歯槽膿漏気味の人はつらいかも。この硬さがフランス人の顔立ちの美しさの秘密なのだろうか。歯並びのよさと、すっきりした顔の輪郭は食べるものから産まれるのか。
 レストランに入ると相当時間を浪費する。じっくり調理されるのだ。「今日の定食」、"Plat de jour"がはやい。カフェのパンかサンドイッチでも腹いっぱいになる。

 −自転車屋−

 ほとんどがバイク屋を兼ねている。バイク屋と言っても日本のように家族的にやっている所は少ない。堂々とショーウィンドーにホンダ・カワサキ・ヤマハ(なぜかスズキがなかった)など、所狭しとならべている店が目につく。その奥にロードレーサーとMTB、自転車部品、衣服・工具などが控えめにある。出入りしている人達の様子は日本同様、サロン的である。常連の仲間達がワイワイしていることが多い。実際そういう店が生き残っている。私はお世話にならなかったが、無理にお世話になって色々話を聞いてもおもしろかったのかもしれない。
 航空機で運ぶ際、圧力の関係でタイヤの空気を若干抜く必要がある。パンパンだと機内でバーストするかもしれない。そこで空気注入に関して少しアドバイスを。
 自力でせっせと入れるのがチャリダーの基本なのだけど、バルブがアメリカンタイプならば、セルフサービスのガソリンスタンドに空気入れがあるので、勝手に使ってよい。フレンチの場合は自転車屋に飛び込む。問題はイギリス式だ。今ではほとんど化石に近い存在のランドナータイプのツーリストは、フランスでは難儀する。元ランドナー野郎の私としては大変寂しい。
 米−英式もしくは仏−英式のバルブアダプターを日本で事前に購入しておくと、携帯用ポンプでせっせと空気をいれなくてもすむ。手で空気を入れる範囲で、タイヤを適正空気圧に届かせることは、それなりに疲れる。チューブラータイヤでは至難の技になる。こんな所で苦労したくない。

 −地図−

 現地の地図で迷わず買うこと。日本で事前に買う場合、本屋で設定している為替レートが洒落にならないレベルで高い。但し、地図が普及していない国、中南米やアフリカ・中東の場合は別。現地で手に入る可能性はない。ただこれらの国の地図はヨーロッパでは入手しやすい。(本屋に限る)
 地名が日本語で書かれているものは全く役に立たない。現地の人が読めない。また地名の発音も現地の人から学ばないと、その後全く役に立たない。そして日本の地名もその国の発音で覚えておくと便利。最悪、自己紹介できない。中国語圏がまさにそうで、「大阪から来ました」と言ってもOsaka では、相手は理解できない。"Da-Ban "(ターパン:濁音は出来るだけ控えて発音する)と発音する。東京ならDong-Jiing(トンチン:濁音は出来るだけ控えて発音する)だ。

 −辞書とガイドブック−

 ガイドブックによく載っている「会話集」はなんだかんだといっても重宝する。しかしそれだけでは、雑談ができない。そこで私は辞書を持っていく事を薦める。初心者用でかつ、国際発音記号が入っているもの。カナ発音だけでは、意志疎通に心もとない。分厚いく重いが、現地の人々はこんな分厚いものを持ってでも、コミュニケーションを取ろうという気合を理解してくれる。私の場合、出会った人達は辞書を興味深く見ながら、ページをめくってた。
 その辞書は日本で買って行く方がいい。その国と日本語の辞書なんて、日本でしか売ってない。ただ日本語教育が熱心な所は、現地の方がバリエーションを選べる。

 −あいさつと言葉−

 どこの国でも「ありがとう」これをまず第一に覚えたい。次に「こんにちわ」と「さようなら」また「ちょっと待って」と「すみませんが・・・」が便利。辞書を引くときや地図を出すときに「ちょっと待って」、"Attandes un monent."話の切り出しや問いかけに「すみませんが・・・」"Pardon."
 最後に「自転車」フランス語では"Velo"。
 これぐらいで現地の人は多少なりとも相手してくれる。いきなり他国の言語で話すことは感心しない。特にフランスは英語に対してライバル心がある。ただ若い人は問題なし。日本同様英語まじりの会話が多い。
 肝心なところはすべて英語でした。レンタカーの契約はすべて英語だ。全く英語がダメな人は日本語でも顔とジェスチャーでやった方が、契約のズレは少ないと思われる。

 −道の名称と高速道路−

 フランスではN202やN85など、Nがつくと国道、A41やA8など、Aは有料道路である。自転車の人にとってAがつく道路は原則通行禁止である。料金所が日本同様存在するので、走られないことがわかる。(走ってしまったが・・・。)
 逆にいえばそれ以外の道は走っていい。フランスの高速道路料金体制は詳しく知らないけど、グルノーブル−アルベールヒルまでで、35FF取られた。距離は80キロ前後。日本より少し安いぐらいか。標準速度は110キロ、最高速度は130キロ。現地の人間は天性の走り屋の血が騒ぐのか、みんな140キロ越えている。しょ−もない軽自動車タイプの車も110キロで走っている私の車を抜いていった。ヨーロッパの高速道路はそのまま国境を越えられる。
 当たり前だが右側通行なので、追越車線は左側レーンである。
 「ネズミ捕り」オービスはなかった。ヨーロッパの美意識の問題だろうか、電柱とか案内板などは最小限の範囲でしか立っていない。だから風景が遮られるということはない。ダイナミックな景色を(脇見しない範囲で)堪能して欲しい。
 料金所出口には必ず警察が張り込んでいる。シートベルトは着用しておかないと捕まるようだ。
 高速道路料金は日本同様有料なのに、なぜ渋滞してないのか。

 −N202〜N85〜N75−

 ニースからアルプ・マルティーヌの山並みを眺めつつ、ディージュに入る。そしてグルノーブルまでの350キロの道は、まさに「山を越え、谷を越え」とアニメ、「忍者ハットリ君」の歌詞通りだ。美しいながらも日本人なら誰も訪れたことのないだろう湖や石造りの橋を通る。雰囲気で言えば、私が愛する河内長野−五條間の国道310号線に風光明媚が付け加わった感じだ。道は荒いし狭い。舗装されているが、石コロが時々落ちている。
 ディージュからグルノーブルまでの道は長く、まさしく田舎道である。時々現れる小さな街は中世そのもの。日本で言えば東北十和田湖に向かう道に近い。

 −N212−

 アルベールヒルからシャモニーまでの道は、前半は六甲山界隈の急勾配で昔トレーニングで走った地域にそっくり。現地の走り屋(自転車・自動車)が歓迎してくれる。途中の町並みはミニスイス。後半は下り坂の勾配がきつい上に交通量が多く、走りづらい。

 −レンタカー−

 事前予約必要。クレジットカード利用の方がスムーズ。国際免許証と日本の免許証も必要。今回私は期限切れとなった国際免許証を持っていったが、注意されたものの利用できた。要は度胸か。しかしちゃんと更新しておこう。フランスのレンタカー料金体系は日本とそんなに変わらない。
 乗り捨ては日本よりヤイヤイ言われずできるが、割高。今回ニース−シャモニー24時間利用で1855FF(4万円)だった。飛行機でジュネーブ経由した方が安かったかもしれないが、いい経験だった。アメリカと違いミッション車も多い。AT車限定免許保持者などは事前に希望を申告しておくこと。私の場合、ミッション自体が好きなので、問題なかったが、異国の地では余計な気をとられないにこしたことはない。

 −ラジオ局−

 FMが中心。日本みたいにAMはない。全部フランス語だが、雰囲気は楽しめる。音楽ばかり流すところは少ない。日本のAM放送の役割も担っているようだ。

 −映画−

 日本と同じように、アメリカ映画が若者には人気がある。配給時期などもほとんど同じタイミングのようだ。「スクリーム」だけで判断するわけにはいかないが、外国の映画はフランス語に声をふきかえられるようだ。なぜだ。俳優・女優の生の声を聞きたくないのか、フランス人。字幕にしてくれと声高に言いたい。どこの国の映画でも出来る限り、完成した状態のままで上映するのが、この業界のしきたりと思っていたのだが。香港や台湾では字幕が堂々と出ているぞ。
 ニース・カンヌ・シャモニーと映画館を拝見したが、いずれも石造りの荘厳な建物である。シャモニーだけかもしれないが、アイスクリームの売り子のおばさんが上映前にやってくる。うまそうに見える。

 −ワイン−

 アルコールがほとんどダメな俺がこの項目について記述できるのかどうかわからないが、フランスに来たのだから、1杯ぐらいは・・・、と言う人は、ボトルでなくても、「グラス」とジェスチャーでやれば、グラスだけで持ってくるので安心して頼もう。本当にうまいワインはボトルでないといけないけど。日本のフランス料理屋ほど肩苦しくないので、自転車野郎でもレストランには一度くらいは。「今日の定食」でさえも、十分、世界に誇れる料理なのだと感心できる。

 −国境と通貨−

 自転車で国境を越える。かっこいいと思いこんでいた。しかしヨーロッパ内(旧西欧)はどこもスリリングでなくなっている。EU発足で確実にフリーになりつつある。両替に関しても、統一通貨、ユーロが浸透したら、国境なんて高速道路の料金所ぐらいの扱いとなるのだろう。しかしスイスフランは不滅だと思う。日本円もこのスイスフランにはとんと弱い。
 両替は銀行ですべし。休みならば、近所の両替屋でするしかない。ミネラルウォーターさえ、途端に買えなくなる悲劇がやがて訪れます。
 ただ現在のヨーロッパでも以下のことは尋ねられます。英語が全くわからない場合は、参考に。パスポートの提示は当然必要です。

 質問1.自転車を我が国で売買するようなことはありますか。
      免税手続が必要なものを持ってますか。
 質問2.この国に何しに来ましたか。
 質問3.いつまでこの国に滞在しますか。(日本にはいつ帰りますか。)

 といった決まり文句がほとんどと思われる。対処としては、"No,No" と繰り返し、"I'll return Japan ○." 単語を覚えていれば問題ない。○は帰る日である。

 −貴重品−

 自転車ツーリング中、パスポート等の置場はフロントバックだった。日本同様、貴重品をフロントバックに入れる人は多いだろう。しかし駐輪する時はちゃんと持ち出せる状態にしておくこと。自転車から離れる時は、貴重品袋を首からかけている。19歳からの愛着品である。

 −観光案内所−

 自転車旅行に限らず、観光客のオアシスだ。ヨーロッパは自転車ツーリング天国であるが、「自転車で来た」というだけで、たいていの人は「ほぉー」という感心の目で見てくれる。まとめて地図をもらおう。また宿の手配をしてもらっても楽。ニースは手数料がかかるが、ジュネーブではタダと土地によって対応が異なる。


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